軍事切手とは?
戦時中に発行されていた軍事切手ですが、この切手の定義は厳密にいうと、普通切手に「軍事」の二文字が再印刷されたものを指します。
しかし、中には軍が運用管理していた軍事郵便用の切手など、軍が国内外で発行していた切手も含めて軍事切手という場合もあり、定義としては曖昧な部分があります。
この軍事切手は、「喉から手が出るほど欲しい!」とコレクターに言わせるほど、人気の切手が多いため、その人気と比例するように高値で取引されています。
高価買取される軍事切手の代表格は、普通切手に「軍事」の二文字が再印刷されたものです。
美品であれば、1枚10,000円以上の値がつくこともざらにあります。
特に、国内で発行された軍事切手は、ちょっとした印字の違いで、大きく価値が異なる場合があるので、買取を希望される方はどこで査定・買取を希望するかも大きなポイントとなります。
第一次昭和切手と第二次昭和切手とは?
第一次昭和切手と第二次昭和切手の中には、軍事切手と呼ばれる切手もあります。
第一次昭和切手は、1937年~1941年に発行された切手で、1937年に郵便料金が値上げしたことを機に発行されました。
第一次昭和切手と言われる切手はどれも希少価値が高くプレミア付のものがほとんどです。
その中でも、藤原鎌足が描かれた5円切手は買取価格7,000円、梅花模様が描かれた10円切手は3,000円とかなり高い相場で取引されています。
第二次昭和切手は、第一次昭和切手ほどではありませんが、プレミア付の切手が多数存在します。
その代表格として挙げられるのは、少年航空兵の15銭切手、厳島神社の30銭切手などです。
これらの買取相場は400円程度で、バラの中では比較的高額で取引されます。
プレミアム切手5選
- 青島軍事切手
- 1921年に山東半島の青島局で臨時に発行された軍事切手です。額面は3銭です。臨時につくられたことで、もともとの現存枚数も非常に少ないため、その価値はなんと1枚100万円を超えるほどに。有名作家の骨董品と肩を並べられる程の価値を持った切手です。
- 大正白紙加刷軍事切手
- 1913年8月に発行された軍事切手です。額面は3銭です。この切手は、切手自体の縦横のサイズで3種類に分類することができます。その中で最も高値がつくのが正方形のタイプですが、これはコレクターでなければ見分けることができないぐらいの違いしかありません。3種類どのタイプでも、12,000~40,000円程の相場で取引されます。
- 旧大正毛紙加刷軍事切手
- 1914年5月に発行された軍事切手です。額面は3銭です。この切手は、「Ⅰ」と「Ⅱ」の2種類が発行されていますが、厳密にいうと全7種類存在します。Ⅰ型は1,000円程度、Ⅱ型は3,000円程度とⅡ型の方が高値で取引されていますが、Ⅰ型の正方形のタイプは例外で30,000円以上の高値で取引されることが期待できます。
- 新大正毛紙加刷軍事切手
- 1928年、1933年に発行された軍事切手です。額面は3銭です。この切手は、「Ⅱ」のみが発行され、全4種類あります。その内訳は、平面版が3種、輪転版が1種です。この切手の買取価格は、「軍」と「事」の間の間隔で決まり、一番高値で取引されるのが1ミリのもので、40,000円以上になる場合があります。それに続き、2.3ミリのもので8,000円程度、2ミリのもので4,500円程度の値が付きます。
- 菊切手加刷軍事切手
- 1910年12月に発行された軍事切手です。額面は3銭です。この切手は、「菊切手」と呼ばれる普通切手に、「軍事」の文字が再印刷されたものです。100年以上前に発行されている切手で、未使用・美品の状態で見つかることがほとんどないため、多少の劣化があっても価値に影響することが少ないと言われています。8,000円から9,000円がこの切手の買取相場です。