2000年以降に急騰した中国切手に関心を持つ人は少なくありません。中国切手は、2012年あたりに50万円近い値がついたものもあったほど注目度が高い実物資産の1つと言っても過言ではないでしょう。以前に比べてある程度落ち着きつつある中国切手の相場ですが、中には額面の1,000倍や1万倍で取り引きされているものも中には存在します。この記事では、知れば知るほど面白い中国切手の魅力を初心者向けにわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。 ○中国切手とはどんな切手なのか ・中国切手とは 中国切手は、1950年代から80年代にかけて中国で発行された切手を指しますす。希少性が高く、高額査定が期待できる切手として有名になりました。具体的な価格は切手によって異なるため一概にいうことができませんが、過去には1枚あたり4,000万円を超える価格が付いたものもあります。2009年に香港で開催されたオークションでは「全国の山河は赤一色」という切手の落札価格が4,000万円を超えました。また2013年には、同種の切手が9,000万円以上で落札された記録も残っており、コレクターの間に衝撃が走ったことは記憶に新しい出来事です。 中国切手を売却する際は、売りに出すタイミングが重要です。価値が高くなりやすい時期をねらって買取査定を申し込むことで、より高値で買い取ってもらうことができます。売りに出すタイミングに悩んだ時は、ぜひ専門業者に相談してみましょう。何かヒントが得られるかもしれません。 ・富裕層が投資目的で購入している 中国切手の値上がりを下支えしたのは、投資目的で購入する富裕層の存在です。彼らはコイン投資や骨董品コレクションと同じように中国切手を買い集め、ある程度時間が経ってから高値で売却し、利益を得ていました。 一種の投資として切手を購入する人が増えると、売買が活発になり、買取価格が上昇するには株や金と同じです。もちろん中国切手の美しさに惹かれて買い求める人もいましたが、いずれの場合も需要がある切手の取引相場は高くなり、1枚の切手が額面の何倍何百倍という値段で流通しました。 ・文化大革命時代の切手が高値 特に希少価値が高い切手は、文化大革命時代の切手です。文化大革命時代は切手の収集が禁止されていたこともあり、当時の切手は現存数が少なく、高い値が付きやすいとされています。文化大革命時代に発行された切手かどうかを見分けるには、中国切手の左下部分を確認しましょう。切手の左下部分に記載される編号が「文」や「革」になっているものは、文化大革命時代に発行された切手です。 編号は、切手の発行時期や種類を分かりやすくするためにつけられたコードネームのようなものです。編号を見れば、中国切手について詳しくない人でもプレミアム切手かどうかを見極めることができるので、覚えておくと良いでしょう。 ○高値が付きやすい中国切手の種類 ・赤猿 1980年に発行された猿の絵柄の切手です。中国で初めて発行された年賀切手として知られています。バラ切手でも1万円以上の値が付く可能性が高く、プレミアム切手の定番です。シートのまま残っていればさらに希少性が高まり、500万円程度で流通するケースもあります。 高値買取できる「赤猿」切手は、顔部分の金色がきれいなまま残っているものです。褪色・劣化しやすい絵柄なので、手に入れた際は適切な環境で保管しましょう。 ・毛沢東の切手 「毛主席の最新指示切手」や「毛沢東の長寿を祝う切手」など毛沢東関連の切手は、希少価値が高くなります。「中国建国の父」とも称される毛沢東の切手は中国人からの需要が高く、安定した人気を誇る切手です。 「毛沢東の長寿を祝う切手」は、全11枚で構成されます。11種類すべてそろっていれば、20万円程度が買取価格の相場です。状態が良いものであれば40万近くの値が付くこともあります。「毛主席の最新指示」は、全5種類で構成され、5種類全てそろったセットであれば30万円から40万円くらいが相場です。このほか「毛主席の長寿をたたえる切手」や「毛主席詩詞切手」などにも一定の価値が見込まれます。 ・梅蘭芳舞台芸術切手 「梅蘭芳舞台芸術切手」は、有名な京劇役者を題材にした切手です。焼却処分されたものも多いことから希少価値が高く、使用済切手でもある程度高値で取り引きされています。また、海外公演も行っていたことから世界中のコレクターに人気がある切手です。 「梅蘭芳舞台芸術切手」には、8種類のバラ切手と小型シートの2種類があります。バラ切手は種類がそろっているほどプレミアが付きやすく、8種類全てそろっていれば使用済みでも2万円前後の値段が付くケースも珍しくありません。小型シートのものは数十万円程度が相場です。 ○中国切手に高値が付く理由 ・中国では収集が禁止され日本にたくさん持ちだされていた 日本に残っている中国切手の多くは、旅行客が持ち帰ったものとされています。中国で文化大革命が起こった当時の日本は、空前の切手収集ブームでした。海外の切手に関心を持つ日本人も多く、現地で購入したものを国内に持ち帰ったと考えられています。 中国のコレクターの中には、海外に残っている自国の切手を買い戻そうと努力する人も少なくありません。中にはある程度お金を払っても買い戻したいと考える人もおり、需要の高まりを受けて驚くほどの高値で取り引きされるものもあります。 ・中国人富裕層の需要が見込めるため 中国の経済成長が進む中で力を付けた富裕層が日本を訪問し、中国切手を高値で買い取っていく事例もあります。中国富裕層の需要が切手価格に折り込まれることで、切手の価格相場が値上がりしているのです。現在は中国の景気が良いため、切手の価格も右肩上がりの状況ですが、中国景気の伸びが減速すれば、切手価格も落ち着いてくるでしょう。今現在中国切手を所有しているのであれば、切手の価格が高い今のうちに売却してしまうのも一つの手です。実際に売却するかどうかはともかく、手元に中国切手があるのであれば、専門の業者に依頼して一度査定を受けておくと良いでしょう。 ○まとめ 中国旅行に行った友人からもらった・両親が旅行先から持ち帰ってきたなど、何らかの理由で中国切手を持っている人もいるかと思います。世界中のコレクターが注目している中国切手は、専門業者の査定を受けると思わぬ高値がつく可能性もあるので、一度査定を依頼してみましょう。査定を受けたからといって、必ず売却しなければいけないわけではありません。自分の手元にある切手の価値を正確に把握し、必要に応じて売却して大きな臨時収入を手に入れましょう。 |