
切手の買取を依頼する際は、慎重に相談先を選びましょう。安易に相談先を選んでしまうと、相場よりも安い金額で買いたたかれてしまうことが多く、扱いも雑なことが珍しくありません。専門業者・金券ショップ・オークションと3種類の買取業者を例に出して、それぞれのメリットや特徴、得意分野と苦手分野をご紹介します。 ○切手買取専門ショップの魅力 ・切手鑑定技術を持った査定員がいる 切手買取専門ショップは、名前の通り切手の買取を専門的に行っているお店です。専門知識を持ったスタッフが在籍しており、プレミアム切手でも確かな目で査定してくれます。切手の鑑定は奥が深く、保存状態や希少性に応じて価格が変わることが珍しくありません。プレミアム切手として流通していることを知らない業者の場合、切手は一律額面の8割程度の値段で買い取っていることもあります。しかし、専門知識を持ったスタッフに査定してもらうと1枚10万円以上になるケースもあるので、高値での買取を希望する人は専門ショップを活用しましょう。 ・無料の店頭、出張、宅配買取から選べる 切手買取専門ショップでは、複数の買取方法を選択できます。店頭への持込が難しい人に対する出張サービス、好きな時間に発送できる宅配買取など、いくつか方法があるので自分に合った方法を選びましょう。どの買取方法を選択した場合も、手数料等はかかりません。専門ショップでは、宅配買取用の梱包セットを用意していることもあり、初めての人でもスムーズに買取を依頼することができます。出張買取を利用する場合、対応可能エリアは店舗によって異なるので事前に問い合わせて確認しましょう。仮に出張買取が行えないエリアであっても宅配買取なら対応していることも多く、出張・宅配買取では住んでいる場所に関わらず専門家の意見を聞くことができます。 ・プレミアム切手の価値をわかってもらえる 切手買取専門ショップの場合、プレミアム切手の価値をわかってもらえるのも大きなポイントです。プレミアム切手にもいろいろな種類があり、専門家ではない人が適正価値で査定するのは難しいと言わざるを得ません。有名なものだけも、次のようにたくさんの種類があります。 赤猿:中国切手の中でも得に希少価値が高く、高額買取される切手です。保存状態が良ければ、1枚で10万円以上の値が付きます。金箔がきれいに残っているものはさらに高値になるケースもあり、コレクターからの需要が多い切手です。 オオパンダ:中国の文化大革命時代に発行されたパンダの図案の切手です。6種類がそろったものなら4,000円程度で買い取ってもらえます。 毛主席の最新指示:毛主席の肖像画とメッセージが描かれた中国切手です。5枚連続セットなら30万円以上で買い取ってもらえることもあります。毛沢東の描かれた切手はほかにもたくさん種類があり、高値で取り引きされる切手の代表格です。毛沢東の長寿を祝う・毛主席の長寿をたたえるなども高値で流通しています。 ○金券ショップでの切手買取の特徴 ・シート綴りの普通切手を高値で買い取ってもらえる 金券ショップで高値が付くのは、シートつづりの一般的な切手です。高値といってもプレミアム切手ほどの買取価格になることはなく、額面の8割弱程度の金額で買い取られるのが一般的です。金券ショップには、ビジネスなどで利用する切手を安くたくさん買いたいという人が訪れます。そのため、レアな切手よりも一般的に流通している切手、ポップな図案の切手よりもオーソドックスな図案の切手が人気です。 ・中国切手など価値のある切手が安くなる 金券ショップにプレミアム切手の知識を持つスタッフがいることは非常に稀です。中国切手や「見返り美人」「月に雁」といった国内発行のプレミアム切手を査定に出しても、普通切手と同様の金額で査定されてしまうケースが少なくありません。また、そもそも査定を受け付けてもらえないこともあるので、少しでも早く切手を売りたい人は専門ショップを利用した方が近道です。金券ショップは切手以外に商品券や新幹線の回数券といったその他の金券と合わせて買い取ってもらいたいときに利用すると良いでしょう。 ○オークションでの切手売却の特徴 ・自宅に居ながら不要な切手を売却できる 専門業者に買取を依頼する以外にも、オークションで個人に対して切手を売却するという方法もあります。タイミングや交渉次第では、買取業者に依頼するよりも高値で売れるケースもあるので検討してみましょう。オークションはインターネットでの取引が主流ですから、自宅に居ながらにして簡単に取引が行えるところもメリットです。ただし、写真撮影や出品手続き、発送作業などはすべて自分で行わなければならないので、慣れるまでは少し時間がかかります。慣れてくればスムーズに一連の作業ができるようになるので、あまり心配しなくても良いでしょう。 ・高値でスタートすると売れない可能性がある 個人を相手にした取引だけに、最初の開始価格を高額に設定するといつまで経っても買い手が現れないことがあります。売れて初めて利益になるので、どんなに価値がありそうな切手でも最初から高値を付けるのは避けましょう。かといって、早く売りたいからと著しく低い金額でオークションを開始するのも感心しません。相場よりも安く買いたたかれてしまうリスクがあるからです。満足のいく金額で売れるかどうかは完全に運任せになってしまうので、切手の買取相場がわからない場合はまずプロの業者に査定を依頼してある程度金額に目安をつけるようにしましょう。 ○高値で売りたいなら切手買取専門業者がおすすめ ・古い切手を持ち込むと高値で買い取り可能 良い状態で保存されている古い切手は希少価値が高く、高額買取が期待できます。金券ショップに持ち込んでも値段がつかなかった古い切手であっても切手買取専門業者なら高値で買取ってもらえる可能性があるので、査定だけでも受けてみましょう。桜切手や鳥切手など「円」より古い通貨単位になっているものは額面の1,000倍以上の値段が付けられることもあります。 ・保管状態が良い物がねらい目 皇室行事や国際的なイベントに合わせて発行された記念切手は、保管状態が良いものほど珍重されます。プレミアム切手と同じように高値で買取ってもらえる可能性が高いので、できるだけ専門業者の査定を受けましょう。と特に珍しい切手は、シミや汚れがついたものでもある程度高値で買い取ってもらえることもあります。 ○まとめ 普通切手の買取は金券ショップ、プレミアム切手や記念切手の買取は切手専門買取業者というように、切手の種類に応じて買取を依頼する業者を選びましょう。豊富な知識を持つコレクターであれば、個人でインターネットオークションを利用して売却するのも一手です。大切にしてきたコレクションだからこそ、二束三文で売ってしまうことがないよう、売却先は慎重に選んでください。業者を選ぶ際は、複数の業者に査定を依頼し、納得できる価格の業者に売却するのがおすすめです。 |