
ブームに乗って集めた切手を収納したまま、忘れてしまうことがあります。年代ものの切手が何かの拍子に見つかって「もしかしたら、お宝かも」と感じたことはないでしょうか。実家の物置やしばらく使っていないタンスの片付けをしているときに古い切手が出てくることは、珍しいことではありません。ここでは、高値で買い取ってもらえる代表的な切手の種類と価格相場について紹介します。 ○どのような切手の買取相場が高いのか? まずは、買取相場が高くなる切手の種類や判断基準を見ていきましょう。 ・切手の種類 買取の対象になる切手は、普通切手・記念切手・特殊切手・お年玉切手・プレミアム切手に分けられます。記念切手とは、大きなイベントがあったときに発売される切手です。鉄道70周年・放送25周年など節目の年に発行されるものもあります。特殊切手とは、昔ばなし・国宝などシリーズ展開で発売された切手です。これらの中で買取相場が高くなるものはプレミアム切手と呼ばれます。額面以上の値が付くことも多く、驚くほどの高値で取引されることも珍しくありません。 ・相場が高いのは切手コレクターが探しているもの では、なぜプレミアム切手が高値で取引されるのでしょうか。理由はとても単純で、たくさんお金を払ってでも買いたいコレクターがいるからです。切手収集の歴史は古く、1840年代のイギリスで、自宅のインテリアに切手を使おうと考えた女性が装飾品として買い集めたことがはじまりです。日本では1950年代になってからブームが広まり、新しい切手が発売されると同時に長蛇の列ができるようなムーブメントになったこともありました。今日でも切手収集を趣味にする人は多く、収集組織ができるくらいポピュラーな趣味の一つです。 ○文化大革命時代に発行された中国切手 ・文化大革命時代に発行された中国切手とは? 高値で買取される切手といえば、中国切手も有名です。1960年代後半から1970年代にかけて発行された中国切手は希少性が高く、高値で買い取ってもらえる可能性があります。当時の中国は文化大革命時代の只中で、大きな歴史的イベントがたくさんありました。中国切手は、中国らしい鮮やかな色味がコレクターに人気で、一種の美術品として取引されています。また、中国の富裕層は投機手段として文化大革命時代の切手を買い集める傾向があり、想定以上の高値になることも珍しくありません。プレミアム切手の高値買取をねらうなら、取引のタイミングは慎重に見極めましょう。 ・高値が付く中国切手の種類と相場 「全国の山河は赤一色」という切手は、未使用なら4,000万円・使用済みでも300万円くらいで取り引きされています。ミスプリントからほとんど市場に出回らなかったため、この値段が付きました。「梅蘭芳舞台芸術」はバラ切手の場合8種類で7万円前後が相場ですが、未使用の小型シートなら100万円以上の値が付くこともあります。梅蘭芳舞台芸術は1962年の京劇をモチーフにしており、当時の中国における有名女形「梅蘭芳」が描かれている切手です。焼却処分されたものも多く希少性が高いことから、プレミアが付いている中国切手の一つです。 ・中国切手は毛沢東切手も見逃せない 中国切手の中でも特に人気が高いのは、毛沢東に関する切手です。1967年に複数回発行された「毛主席の長寿祝」は、8種類の図柄があります。複数種類の図柄をまとめて取り引きした方が買取価格が高くなるので、売る際は気を付けましょう。また、毛沢東の決意を込めたメッセージを冠した「毛主席の最新指示」は消印が押してあっても20万円以上で買取されることが少なくありません。5種連刷の場合はさらに価値が高くなり、30万円から40万円での買い取ってもらえることもあります。「毛主席の立派な兵士・劉英俊」は、毛沢東から信頼された兵士がモチーフとされており、6種セットなら2万円前後が買取価格の相場です。消印が押してあっても高額で買取してもらえるので手元にないかチェックしてください。 ○1955年前に発行された日本切手 日本切手の中にも、プレミアが付いているものはあります。 ・普通切手 1955年以前に発行されていた切手はある程度高値で取り引きされる可能性があります。竜切手・桜切手なら1枚で100万円から200万円程度が相場です。手彫りで作られた鳥切手も1万円以上で買い取ってもらえることが少なくありません。そのほかに菊切手・小判切手・田沢切手などが高額で買い取ってもらえます。 ・記念切手 菱川師宣の代表作をモチーフにした「見返り美人」は、1.5万円から3万円くらいで流通しています。発行当初は郵便物に貼ると途中ではがされてしまうくらい人気でした。戦後シリーズの中では「月に雁」も人気があります。5枚1シートで3万円くらいが相場です。個人のオークションでも1万円を超える値段でやり取りされるほどの人気切手です。 ・琉球切手 琉球切手とは、1945年から1972年にかけて沖縄県で流通していた切手です。1952年の改訂加刷100円切手は特に希少で、探しているコレクターがたくさんいます。買取相場は10万円前後で、プレミアが付いている種類です。琉球切手には沖縄らしい色鮮やかなデザインのものも多く、価値を問わずにコレクションしている人もいます。 ・航空切手 航空切手とは、航空便に貼るために作られた切手のことです。飛行機が描かれている切手が多いのですが、きじ航空切手のように飛行機以外の図案を採用したものも見られます。中でも立山切手は特に希少性が高く、高額で買い取ってもらえる切手です。保存状態によっては、6種揃いで2万円程度の値が付くこともあります。このほかにも芦ノ湖航空切手や五十塔切手などは需要が高い種類です。 ○少しでも高く買い取ってもらうために 切手の買取価格は、保存状態によって変わってきます。良い状態を保つための注意点を見ておきましょう。 ・クリアファイルに保管しておく 切手の保管方法は、クリアファイルがおすすめです。1ページあたり5枚くらいまでなら複数入れても問題ありません。ただし、たくさん入れすぎてしまうと折り目が付いてしまうので、適度な枚数に留めてください。切手を入れたクリアファイルを縦に置くのも、切手のためには良くありません。横に寝かせた状態で、湿気が少ない環境に置いて大切に保管しましょう。 〇まとめ 高額で買い取ってもらえる切手の種類や相場、保管方法に関して紹介しました。紹介している切手以外にも価値あるものはたくさんあるので、一度買取査定を受けてみると良いでしょう。価値あるお宝をうっかり捨てて後悔しても、損したお金は返ってきません。無料査定だけでも受けてみると、思わぬ高値のプレミアム品が見つかり、臨時収入を得られるかもしれません。” |